キャプチャ環境が粉々に大破して画像が貼れなくなってしまい、文字だけの味気のない感想記事になってしまった。今シーズンとしては元々質の良い原作のアニメ化が多かったので安定して楽しめるアニメが多かったね。
感想順はめちゃくちゃです。
・わたしが恋人になれるわけないじゃん、ムリムリ!(※ムリじゃなかった!?)
諸々全て素晴らしかったが、やはりこのアニメで特筆すべきはアニメーションの緩急だろう。多種多様なSDの使い方をしながらギャグシーンはコミカルに可愛く。シリアスなシーンでは幻想的な演出を。話は真面目だが作品に通底する空気感はずっとコミカルで、シリアスシーンでもコメディが多く挟まる。そこの切り替えが演技、画面共にメリハリがあり完璧で「これが日本のアニメノチカラだ!!!」といった風格さえ帯びていた。
鈍くもないし優しさも持ってる完璧な王塚真唯が悪いことをしたのなら、一度二人で連帯して倒すしかないんだ!という紗月の話もとてもよかった。
そして更に光っていたのは紫陽花さん編で、天使のようなキャラクターにはギャップが...というような安易なモチーフに頼らず、心の底から優しい人が陥りがちな非常に小さな内省的な問題にクローズアップして話を成立させたのも凄かったね。
・タコピーの原罪
漫画の時からずっと思ってたんだけど凄惨ないじめを描写するのに、いじめっ子のまりなちゃんが萌え萌えすぎるのでいまいち没入し切れない。まりなちゃんも救済する話だから仕方ないのかもしれないが。
・フードコートで、また明日。
流石に会話一本でやってるだけあって会話がめちゃくちゃ面白い。現代人の小賢しい部分と愚かな部分をちょっとだけ誇張した和田のキャラクター性があまりにもよく出来てるし、これを完璧に表現した宮崎ヒヨリさんも凄い。
タコピーにしろこれにしろ6話構成のアニメは感想を書く頃にはほぼ内容を忘れてしまう。このアニメはかなり好きだったのでもっと書きたいことがあったはずなのだが...。
・ブスに花束を
まあめちゃくちゃ普通のラブコメなんだけど、今までその普通さに与れなかったブス(酷い言葉だけどタイトルなので...)がやるからこそ普通という部分に意味があるんだろう。最終話の「どこにでもある恋の話」というのがそれを象徴している。
8話の上野くんの弟と買い物に行く回が良かった。自己肯定感の無さから常に誰にでも卑屈な態度の田端が、大きく年の離れたつっけんどんな子供の上野くんの弟とだけは対等にコミュニケーションを行えてて、何かとても人間性を感じた...。
それにしてもクラスの立ち位置が低い/浮きがちな属性の人が、一見排他的に見える周りのキラキラした人たちが実は良い人で周りに馴染んで行き...って漫画アニメ多すぎでは。桐島とかはまちとか友崎くん辺りの反動なのか...?そういう自分もこういうの好きなんだけどね...。
・薫る花は凛と咲く
極めて瑞々しい、まるでくずきりの喉越しのようなアニメだった...。
本当に普通のことしか起きない、キャラや画面の良さのパワーで押し切るアニメだったけど、昴関連のストーリーだけは異様に切れ味があって面白かった。
昴は和栗さんのことを思ってりんたろーに「もう近づかないでくれ」と懇願するんだけど、すぐに自分の行動に自身が持てなくなり「そもそも自分のしたことは正しいのか」と思い悩んでしまい、遂には「これが薫子に伝わってしまってないか。もしそうなら嫌われないか」とどんどん悪い方向に思考を巡らせてしまい、懊悩煩悶に陥る。しかもこの行動はメタ的に物語を見た場合にも、ストーリーラインにも2人の関係にも何の影響も与えておらず本当にただの空回りなのが虚しく、より昴の後悔にリアリティを与えていた。
この相手の為だったはずの思い切った行動が、実はただの自己満足だったのか自分でもわからなくなるというぐにゃぐにゃの感覚が非常によく描けていて、視聴者としても身に覚えがありすぎて心が苦しくなっちゃうよ...。昴は友達といる時の一挙手一投足も完全に我々の"それ"であまりに愛おしい...。
・転生したら第七王子だったので、気ままに魔術を極めます
1期で話題になったアクションも良いし、とにかくかっこいいシーンを作るのが上手い。作画もさることながら、主人公に救われた人たちにもしっかりと見せ場がありストーリーがあったけえ...。
随所に少年ジャンプ作品のパロディや、パロディを越えた「構成がほぼジャンプ漫画じゃん」という部分が多々あり作者のジャンプ愛を感じる。
・帝乃三姉妹は案外、チョロい。
古典ラブコメの荒唐無稽さは継承しつつも、例えば優ニコvsハヤト先輩での地に足のついた決着などには説得力があり、かなりバランスの取れた優れたラブコメだった。
「日本の食卓を、取り戻す。」というテーマがとにかく切実で、みんな幸せになってくれ...という気持ち。
あまり関係ないけど最近の少年サンデーは粒ぞろいでアニメ化にもかなり力を入れており、一連のこの企画が無風ならもうダメだ...という感じなので頑張ってもらいたい。
・カッコウの許婚
ヒロイン3人は主人公・凪のことが好き(気になっている)が、それぞれ許婚や家族であること等、自由なはずの恋愛を運命に縛られている。
2期では新たなヒロインである望月あいが現れるが、あいはこの状況を一瞬で見抜き「4人は深い運命の沼に沈み、みんなで必死にもがいている状況だ」と喝破してみせた。彼女がこれを見抜けたのも当然である。他の3人は家の問題(運命)に縛られているのに対して、彼女は13歳で大学を卒業し既に歌手として自立し生計を立てているのだ。
これは現代のラブコメにおいて非常に重要な視点だ。単に誰と誰が結ばれるかのヒロインレースだけではなく、ヒロイン1人1人の実存の問題を扱っているのだ。だからこそ恋愛を戦争や競争にせず、手を繋いで運命や世の中と向き合う必要がある。
この作品はありがちな古めかしいおバカラブコメだが、そういった大きな運命の中でケアしあうキャラたちが尊い傑作でもあった。
・その着せ替え人形は恋をする
最終話めちゃくちゃ良かったね...。不穏な人間関係を匂わせた要素をバカみたいに回収するやり方も、暗くなりすぎないちょっといい感じの話も作風に合ってて最高だった。話数単位で選ぶなら1番くらいに好みだったかも。
画面もかなり良く、しつこい演出が一部不評だったみたいだけどまあ今のオタクメインストリームのノリってあんな感じだし、コスプレがテーマの作品に合ってる気がしないでもない。
シリアスな恋愛部分への導入も凄く良かった。この作品って(特に一期は)ラブコメというよりはほぼ趣味ものの日常系みたいな作風なんだけど、だからこそそこに恋愛感情が入って壊れてしまうかもしれないとなるとその喪失はより大きい。だから親密な関係の中に恋愛感情があるのかどうか確認するのが怖い。という展開に説得力があって、凄い構成だなーと思った。五条くんとおじいちゃんが楽しそうに話していて、そこにマリンもいる、という状況をマリン視点で映すというカットがあり、余りにも「壊したくない日常」過ぎて泣いちゃうよ...。
まあそれ以前に、身も蓋もない話だけどキラキラしたクラスメイトやコスプレお姉さんと仲を深めて行く話が魅力的じゃないわけがないよね...。キャラクターデザインが天才的すぎる。
・Turkey!
深夜アニメ特有のトンチキな見てくれや設定と真剣さが調和した名作にはExtremeHeartsがあるけど、これはやってることがかなり重いので上手く説得力を持たせられなかったな...という印象。随所に光るものは沢山あったんだけどね。
スポーツを戦争の代替手段にする、というのも非常に優れたモチーフだと思ったけど、やはり起きてることの切迫感とやってることの釣り合いが取れていなかったので、説得力を持たせるためには敵地にもボーリングを普及させる回などがあっても良かったのではないだろうか。まあ尺の足りなさとか、制作の要求に対しての現場の苦悩はかなり伝わって来たから多くは求めるのは酷かもしれない。
・CITY THE ANIMATION
撮影効果などをほぼ使っておらず原色のまでありのままの温かみを...ということなんだろうけど、流石にあざとい。Twitterでよく見かける、女子学生3人が踏み切りの前で変なポーズを取ってる写真のファンアートくらいあざとい。
・宇宙人ムームー
1期OPの似ても似つかない人たちが一緒に歩いてるカットが大好きで、最終回にもそういうカットが多々あり(ムームーをキャッチする所とか作戦に向けて踏み出す所とか)こういう坩堝的なわちゃわちゃ感がムームーの良さなんだよな...。
家電とハチャメチャな猫(猫ではない)を軸にしたコメディも面白いし2クールでも飽きずに楽しめた。
・よふかしのうた
夜に生きる、自由に見える人たちの"したい"生き方を見た後、見せるつもりがなかった生き方も見るっていう構成があまりにビルドゥングスロマン過ぎて...。自由にかっこよく飄々と夜に生きてる奴らも薄皮を剥ぐと取り繕ってるだけという事実があまりにも虚しい。
普通の会話シーンでもカット数が多くてショットが目まぐるしく変わったり常に不気味な雰囲気で、フォーマルな演出はこの作品に本当に映えている。
最終話の、探偵さんを起こさないようにヤモリくんが扉を締めるシーンがあったかくて、本当はこういう愛を求めてたんやなって...。ここは原作とほぼ同じシーンなのにヤモリくんが扉を閉めるカットだけが追加されていて、センスがありすぎる。
・うたごえはミルフィーユ
世の中の時間を止められるのってとてつもない力を持った人か、完全に降りた人だけなんだよね。普通の人はそれは出来ない。じゃあどうするかって、みんなで手を繋いで思い出話しをすることで抗うしかいないんだよ。そう、時間が止まってしまった私みたいな人間としてもな...。
これから全く別の道を歩むはずの人間が同じ場所に押し込められて同じことをさせるのが学校とか部活であり、そういうのが奇跡的に綺麗に重なるのがミルフィーユなんだよ!みたいな結末もめっちゃ良くて...。
ずっと放置されててポシャる寸前の企画っぽかったので世に出てきてくれたことに感謝...。キャラもギャグも話も全部良いアニメだったね。
・サイレント・ウィッチ
極度の人見知りのモニカに優しくしてくれる友人たちとの関係を深めて行くという心温まるストーリーラインには、七賢人という立場がモニカと友人を引き裂く悲劇が対置される。
モニカは絶大的な実力を持っているから自分が何をされても些細なことなので相手を許せてしまうし、孤独だった経験から友人"だった"者を見捨てることは出来ない。しかし自分には公的な立場があるから許すことも出来ない。この嗜虐的なバランスがさ...。正直アニメ部分はテーマが前景化する前に終わってしまった印象。
繊細な色彩設計や撮影処理も作風に合ってて凄い良かったね。
・公女殿下の家庭教師
家庭教師─生徒─親族─友人みたいな内輪コミュニティで話が成立していて凄い。ストーリーも面白かった。
名家なのに娘が魔術の才能がない家が出てきて、こういう場合って大抵親がクズだったりするのに父親が「もう頑張らなくていい。こうなったら我が家も新しい形を模索するしかない...」って悩んでて、なんかほんわかした感じで良かったね。まあそれでも行けるとこまで頑張ってみたいんや!ってなってちゃんとん努力が報われる作風で、良いアニメでしたね。
・水属性の魔法使い
これもいい感じのコミュニティの話で面白かったね。話が動くのもまだまだこれからといったところ。
・瑠璃の宝石
撮影とか背景が凄い。この作品は特別凄いけどここ数年のアニメは本当にそこら辺が凄い。序盤はストーリーも会話もあんまりにも教材アニメ過ぎる...って感じだったけど瀬戸さんが入ってからはそこら辺も良かったね。
・ばっどがーる
概ね良かったんだけど、急に美少女キャラクターから肉丸先生が飛び出して教養ギャグみたいなのを言い始めるのはやめてほしい。
・ゲーセン少女と異文化交流
「娘との交際を許さない屈強な父親」みたいなテンプレキャラが出てくるのに「女子中学生と男子大学生の恋愛ってどうなのよ」という部分だけ綺麗にスポイルされてて迫力がある。
私はかりんちゃんが1番好きでした。
・Summer Pockets
美少女はそうまでして、まだ未来へ進まなければならないのか...。
・ウィッチウォッチ
相変わらずギャグは抜群に面白いし声や動きがつくことで凄く良くなってるんだけど、所々演出がダサくて映像的には中々残念だった。
・ぷにるはかわいいスライム
コロコロ的コメディを中心に据えつつ、2クール目は人間とホビーの実存の問題というあまりに重厚なテーマを扱っていた。
ホビーには性愛も成長もないので人間とずっと一緒にいられるわけではない。しかし人間はヒトであろうがモノであろうが個体認識をするものだし、特別なヒト(モノ)との個別的な経験は代替不可能性をもたらしてくれる。
逆に完璧に近い擬態をし自分を人間として愛してくれとコタローにアプローチをするジュレは、「お前は現実のコタローとは違った理想のコタローを投影して、お人形遊びをしているだけだ」と喝破される。ぷにるの言うように、人間同士でも一方が人間扱いされないこともあるのだ。
しかしまあこんなテーマなんてわからなくても、友達と遊ぶのは楽しいし諍いがあってもやっていけるよということはありありと伝わってくる。子供向け夕方アニメながらも演出も日和ることなく恐ろしかったり、美しかったりして文句無しの素晴らしいアニメ化だった。
・ワンピース エッグヘッド編
前回の記事で書き忘れた。休止期間を挟んだ深夜移動+人気のくま編ということでとても期待していたが、「漫画の1話=アニメの1話」という異常テンポは何の変化もなく全てがスローモーションに見えた。いい加減東映は視聴者を舐めた作りをやめろ。
まあでもくまの過去編だけはスローなテンポと合っていて、加筆部分も良くかなり楽しめた。
・まとめ
良く出来た原作をハイクオリティで作ったら面白かったみたいなシーズンだったね。今シーズンのなろうは自分が見ていないのも面白そうなのが多くて見ていればよかったと後悔。